テレビジョンの基礎 (1)

作成日:2005年6月21日

関連資料

映像記録
 最近は3D映像技術が進歩してよりリアルな映像表現が出来るようになっている。今回はレンズで結像された映像がどのような過程を経て記録されるか、フィルムと電子映像の特質の差を明確にし、最適な表現方法を探ることにする。それによって、表現者が映像として視聴者に伝達するためのいくつかの要素を考慮すべき点を見つけたい。

空間的要素
 現状の技術では立体空間をそのまま記録できない。レンズを通した光学系を使用し平面(2次元)化したものを記録している。立体記録するためには複数の角度から撮影することで、擬似的に再現している。
 この時使用する撮像面の特性や大きさ(面積)によって再現される映像の印象は異なる。
 撮像サイズに関する要素はフィルムで周知の事と思われるので今回は省略する。
 電子映像で使用される撮像素子は高価な半導体素子で面積は2倍になると価格は一桁高くなると言われている。そのためビデオカメラは小型化の要求もあって、小面積化へ進んでいる。
 一方高画質化の要求も拡大しつつあって,フィルムサイズと同じ撮像素子も開発され,実用化されてきている。一般的な放送用カメラは2/3インチで16mmフィルムより一回り狭いサイズが使用されている。
 DVカメラは業務用PD-150/170クラスは1/3インチでさらに小面積のセンサーを使用している。


【 各種イメージサイズ 】

フィルム

レンズ

フィルム(結像面)

ビ デ オ

レンズ

撮像素子

信号変換

録画


フィルム

3次元映像を2次元(平面)に直接記録

ビ デ オ

2次元化された映像を分割して電気信号として記録


フィルム

色情報は3層構造の深さ方向の3面に分割して記録

ビ デ オ

光の段階で3色に分解しR/G/Bの3つの電気信号を記録


時間的要素
 映画もビデオも動画である。画像を動画として記録するには時間変化を記録することが必要である。記録の間隔を細かくするとスムーズな動きが記録される。しかし時間単位の記録容量がふえたり、駒数が多くなって経済性が悪くなる。此の兼ね合いを考えた間隔が映画で24駒テレビで30駒である。

フィールド数とフレーム数
 映像を動画として見せるためビデオは1秒間30フレームに時間を分割して記録している。さらに映像では動きをスムーズにするため1画面を2つに分解し2倍の60駒で記録している。
 動きに関しては記録フレーム数(駒数)で見え方が大きくことなる。近年ビデオ系でも24、30駒撮影が盛んになってきているが信号の取り出し方や露光の仕方がフィルムと異なることがあるので、同じ駒数でも多少動きの差が出ている。

走査
 フィルムは一画面を平面で記録するが、ビデオはさらに画面を縦方向に分割して記録している。此の分割は平面の位置情報を決めるためでその場所の映像情報を記録する必要がある。
  ビデオはこれらの位置情報やその位置の光の強さを時間軸で細かく分解して記録している。
  映像を分割して送るため通常の放送は画面の縦方向に483分割(HD時は1080本)して上から順番に送り出している。
 最初のテレビ装置は高柳健次郎博士の「イの字」が有名であるがこの時は40分割されて伝送された。
 此の分割された細い線を走査線と呼んでいる。
 順番に考えるとレンズでとらえた映像は秒30枚に時間的に分解される。次にHDの場合は一枚を1080本の細い線に分解する。切り刻まれた細い走査線は上から順番につながれ一本の長い線にされる。
 その細い線は1920に分割されその一区画に描かれている光の強さを電気の強さに変換する。
 それでHD映像は画面を約200万個に分割し左上から順番に送り出している。
 60駒映像:映像の駒数は多い方が動きがスムーズに見える。駒数を多くするとフィルムの消費量がふえるし、ビデオでもデーターが多くなり信号処理も記録容量もふえてしまう。
 そこで,本来の483本を半分にし1/60秒おきに奇数番目と偶数番を送る方式が考えられた。
 これがインターレース(飛び越し走査)と呼ばれる方式である。

駒送り方式による差
 フィルムは駒と駒との間隔は1/24秒であるが駒の切替時はシャッターによって遮光されている。この時間はシャッター開口角180°時は1/48秒になり、この間の映像は記録されない。一方電子映像は1/1000秒で切り替わる。
 この点滅の時間差は感覚の差として大きいと考えられる。

イメージフォーマット
 結像する面積によって映像のイメージは変わってくる。主な要素は被写界深度と画角,解像度である。フィルムに比較してビデオカメラの結像面積は1/4以下の2/3インチ(イメージサークル11φ)が主流である。被写界深度は2絞り開放で等価になるが、レンズの限度がある。
 解像度と解像感(シャープネス):物理的解像度は大面積のイメージフォーマットが有利であるが、解像感はMTFと呼ばれる解像特性のカーブに支配される。ビデオではこの特性の補正は比較的多用されており見た目の解像感は容易に変更できる。


文責: 宮田 宏美 (賛助会員)


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